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見たまま 感じたまま

Chapter4 カルテット

【title】
カルテット


【detail】
脚本 :坂元裕二
出演者:松たか子  
    →巻 真紀(まき まき)
     第一ヴァイオリン奏者。
     主婦。かつてはプロのヴァイオリン奏者
     を目指していた。声がかなり小さい。
     極度の心配性、ネガティブ思考、
     そして自分に自信が無い。
     緊張すると、より不安になるような動画
     を見てしまう。
     しかし、時折お茶目で、誰もが驚くほど
     大胆になる時がある。
 
    満島ひかり 
    →世吹 すずめ(せぶき すずめ)
     チェリスト。無職。
     人類最大の発明は神でも言葉でも
     数字でもなく“布団”だと思っている。
     トイレでも床でも、どこでも寝てしまう。
     二度寝こそが人生最大の幸せ。
     すずめにとっては、チェロだけが
     家族であり友達。
     ある日突然、謎の老女がすずめの元を訪ね
     一つ頼みごとをし・・・!?

    高橋一生  
    →家森 諭高(いえもり ゆたか)
     ヴィオラ奏者。
     軽井沢の美容室に勤めているが、資格は
     持っておらず、30半ば過ぎにして
     アシスタント。
     相当モテるが、それ以上にモテたいと
     思っている。
     しかし、モテ期は早ければ三時間、
     遅くて三日で終了する。
     それは、妙に理屈っぽくて、
     めんどくさく、器が小さいから。
     何を始めても、前に進めない。
     大人になれない。
     こだわり満載の一風変わった男である。

    松田龍平  
    →別府 司(べっぷ つかさ)
     第二ヴァイオリン奏者。
     「ふくろうドーナツ」の社員だが、
     実は甘いものが苦手。
     人生において一度も怒ったことがな
     いため、自由人に憧れている。
     一度でいいから、わがままだと言わ
     れたい、破天荒だと思われたい、
     でも出来ない。
     それが出来たら、どんなに幸せだろう。
     そんな時
     カラオケボックスで出会った3人に
     「カルテット(弦楽四重奏)を組もう」
     と提案。
     世界的指揮者である祖父が所有する
     軽井沢の別荘を共同生活の場として
     提供する。


【story】
ある日、“偶然”出会った男女4人。
夢が叶わないまま
人生のピークにたどり着くことなく
緩やかな下り坂の前で立ち止まって
いる者たちだ。
そんな4人がカルテットを組み、
軽井沢で共同生活を送ることになる。
しかし、その“偶然”には
大きな秘密が隠されていた・・・。

       『カルテット』公式HPより抜粋





【before】

最高の離婚
『問題のあるレストラン』
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

これらの作品は
私が愛して止まないTVドラマです。
どの作品にも
個性的で奔放で
こちらが想像する斜め上を
当たり前のように
進んでいくキャラクターがいます。
彼らは作品をステキなカラーに彩ります。
そして中毒性が高いです。

『カルテット』の中でも
ぜひとも出会いたい。
そんな期待を胸に抱いていました。

そして相変わらずの
豪華俳優人陣。

私が演技派だと思う俳優が
民放ドラマでこれだけ終結するとは!
映画だと2時間しかお付き合いできないけど
ドラマなら毎週お会いできます。
ほんとにありがたいです。



どんな物語を見せてくれるのでしょうか。
























    【warning】
※ココから先はネタバレを含みます











【after】
初回の感想は
「待ってました!」です。
絶妙な会話の中から
生み出される雰囲気。
あのズレた感じ。
最高の離婚』で受けた衝撃は
いまだに私を掴んで離しません。

坂元氏の脚本からは
毎回濃ゆいキャラクターが誕生します。
『カルテット』においても
その系譜は守られています。

高橋一生が演じる“家森さん”は
私が最も注視するキャラクター。
めんどくさいこと、この上ない。
“はまざきさん”を思い出します。
ただ彼と決定的に異なるのは
“家森さん”は、人との距離感が近すぎること。
信条を誇示し、排他的な考えが
とても稚拙でかっこ悪く感じます。
けれど、なぜか魅力的なのです。
※実際同じ人が周囲にいたらスルーです

第1話では“からあげ事件”
第2話では“ギョウザ事件”

次回は何をしてくれるんだろう。
そう期待してしまいます。

満島ひかりが演じる“すずめちゃん”の
“家森さん”をおちょくるシーンは
ほんとに楽しいです。
「アドリブ?」と思わせるほどの
自然なおちょくり方。
主演俳優たちの演技力の高さが
絶妙は会話の掛け合いを
素晴らしい演劇へと高めています。
大きな動きがなくても
会話だけシーンが成り立つのは
『いつ恋』のラストを彷彿させます。


さて語り出すと収拾がつかなくなります。
今回は第2話の感想を。


少しずつ秘密が明らかになってきています。
・・・それが真実なのかはまだわかりません

今回は私が最も強烈に印象に残ったことは
“別府さん”と女友達の関係性です。

気兼ねなく付き合える友達関係だった2人。
彼女は“別府さん”に好意を持っていて
“別府さん”はその好意を知っていました。
しかし彼女は他の男性との結婚を決めます。
「タイヤの話ばかりしている彼氏」
と言う彼女に
「え?」
と“別府さん”は理解できません。
そして
いつものようにカラオケで待ち合わせし
「は~て~し~な~い~♪」と
合唱します。
違ったのは、“別府さん”が
恐らく故意に終電を逃したこと。
以前から終電逃し、彼女に家に泊まりは
あったようですが今回は違います。
想像通り、彼女の家に着くなり
“別府さん”は彼女を求めました。
引越屋のダンボールが積み重なる部屋で
2人は体を重ねます。
私は非常にもどかしさを感じました。
“別府さん”は「結婚しましょう」と。
彼女は答えません。
代わりに「おなかすかない?」と
塩ラーメンを作ります。

出来たラーメンを片手に
ベランダへと出る2人。
そこで“別府さん”と彼女は話します。

「それぐらいには私だってずるいし・・・」

キレイごとだけでは生きていけない。
痛感させられた台詞でした。
ほんとの気持ちさえ、周囲を取り巻く環境に
飲み込まれてしまう。

「でも 寒い朝 ベランダで
サッポロ1番食べたらおいしかった。
それが私と君の
クライマックスでいいんじゃない?」

ドラマは、理想や憧れを語ると思うんです。
でもこの2人のクライマックスは
特別ではありませんでした。

答えを出すことよりも
それを実践する方が何倍も大変。

とても切なく、もどかしくて
心に残るシーンでした。


彼女の結婚式で
4人は演奏をします。
新郎と新婦を見つめる“別府さん”。
私まで胸が熱くなりました。

式は滞りなく進み
新郎と新婦が退場を始めます。
そこで松たか子が演じる“巻さん”が
自身の楽譜を“別府さん”に渡します。
“別府さん”は独り演奏を始めます。

途中で“アベマリア”から
2人がカラオケで熱唱していた曲のサビへ。

新婦は歩みを止めます。

しかし振り返ることはありませんでした。
踏み出した1歩は、彼女の強い意志です。




第2話にして、ここまでとは!
キレイな恋愛ではありませんが
心の奥底に突き刺さります。

元々、このブログはTVドラマは対象外でした。
しかし
「どうしてもこの気持ちを発信したい」
そう思いました。
毎週書くかどうかは未定です。
けれど書くことになりそうです。
それほど、私にはステキな作品なのです。










【ユハタ’s 評価】
カルテット
★★★★☆  星4つ
今日から「BODY SOAP」は
「バディーソープ」と発音しましょう!







                                         2017-01-26 ユハタ